40歳の誕生日、妻に「健康のために走れ」と言われ、朝ランを始めた。最初は1キロで息切れ、情けなかったが、近所の公園の朝日が気持ちよかった。毎朝走るうち、常連のランナー、佐藤さんと知り合った。彼は65歳で、「走ると人生が見える」と笑う。
佐藤さんにペースを教わり、3ヶ月で5キロ走れるようになった。ある朝、佐藤さんが「ハーフマラソン出よう」と誘ってきた。半信半疑で練習を重ね、大会当日、沿道の応援に力をもらった。ゴールした瞬間、妻と娘が「かっこいい!」と抱きついてきて、涙が出た。
佐藤さんは「次はフルマラソンな」とニヤリ。以来、走るたび、仕事のストレスが軽くなり、娘との会話も増えた。佐藤さんとは、走った後に喫茶店で世間話。去年、彼がフルマラソン完走のメダルを見せてくれた。ランニングは、体力だけでなく、心の強さをくれた。今、佐藤さんと来年の大会を目指す。朝の公園は、私の人生のスタートラインだ。